ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-263-SY20-5 小児ICUにおける早期リハビリテーションの効果と課題1)国立成育医療研究センター 看護部、2)国立成育医療研究センター 集中治療科、3)国立成育医療研究センター リハビリテーション科稲元 未来1)、壷井 伯彦2)、林 健一郎2)、上久保 毅3)、並木 亮3)、金子 節志1)、江藤 瑞貴1)、福原 由香1)【はじめに】当センター小児ICU(以下PICU)では、2012年より看護師が中心となって看護師、ICU医師、リハビリテーション(以下リハビリ)医師、理学療法士からなるリハビリ推進チームを結成した。2015 年からはPICU 専従理学療法士(以下PT)を加えて重症小児に対する早期リハビリを行っている。今回、取り組み内容とその効果、課題について報告する。【取り組み内容】医師、看護師、PT間で安静度とリハビリ内容の共有のためのリハビリ実施表を導入した。また、患者の方針決定やリハビリ推進のための多職種カンファレンスを実施し、リハビリオーダー方法を変更した。【方法】取り組み前にPICU に入室した症例と、後に入室した症例で、リハビリ実施単位数と有害事象発生率を比較した。また、同期間の16 歳未満肝移植術後入室症例を抽出し、リハビリ介入率、オーダーまでの日数、PT介入までの日数、リハビリ進行度、人工呼吸器装着日数、ICU在室日数を比較した。患者のデータ収集に際しては、院内の倫理委員会の承認を得た。【結果】取り組み前後でリハビリ実施単位数は増加した。有害事象は、リハビリ中の肺高血圧の悪化1件であった。取り組み前後で肝移植術後症例の月齢および予測死亡率に有意差はなかった。リハビリの介入率は有意に増加し、リハビリオーダーまでの日数、PT介入までの日数、PTによる座位までの日数は有意に短縮した。人工呼吸器装着期間・ICU 在室日数には有意な差は認められなかった。【考察】リハビリ運用システムの再構築によってリハビリを円滑に開始できるようになった。現時点で人工呼吸器装着期間やICU在室日数の短縮には至っていない。今後、リハビリ内容の充実を図り、廃用症候群の予防や離床進度、退室後の発達への影響等について調査することが課題であり、これにより重症小児に対するリハビリの適切な評価が可能となる。