ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-243-SY13-5 杏林大学病院における経鼻高流量酸素療法の急性期及び終末期における使用実態調査杏林大学 医学部 麻酔科学教室岡野 弘、森山 潔、金井 理一郎、田口 敦子、小谷 真理子、山田 達也、萬 知子<背景>経鼻高流量酸素療法(High-flow nasal cannula therapy: HFNC)は、集中治療領域で急性呼吸不全患者の気管挿管回避に役立つ可能性が期待される一方、終末期医療でも低酸素血症を緩和しQOLを保つ手段として、使用される可能性がある。本研究では杏林大学病院での急性期及び終末期におけるHFNC の使用実態を調査した。<方法>2013年1 月~2015年5月の呼吸ケアチーム回診記録より、集中治療室及びハイケアユニットに入室しHFNCを使用した症例から、肺炎の診断で入院した患者を抽出した。施行期間などに加え、治療過程での蘇生不要(DNAR)及び挿管不要(DNI)同意取得の有無につき、調査した。<結果>対象となったのは56 例(市中肺炎37例、間質性肺炎の急性増悪19例)で、年齢は77.6±10.4 歳、APACHEIIスコアは31.7±7.5。DNAR同意取得は42例(入院当日22例)、DNI同意取得は2例(入院当日1例)、同意なしは12 例。入院時同意取得例を除いたDNAR、DNI 同意取得までの日数は26.6 ± 26.2 日であった(平均±標準偏差)。HFNC 施行日数は14 ± 9.5 日で、気管挿管または非侵襲的陽圧換気を導入した症例は7例で、死亡退院は24例(肺炎13例(35.1%)、間質性肺炎の急性増悪11例(57.9%))。死亡例では死亡日までHFNC が施行されていた症例は13 例であった。<考察>HFNC導入患者では80%で経過中にDNAR、DNI同意が得られており、HFNCが事実上最終酸素療法に位置付けられていた。HFNCが終末期患者のQOL を改善したか否かにつき、今後の更なる検証が必要である。<結語>肺炎治療において、HFNCは急性期のみならず終末期の最終酸素療法となる可能性がある。