ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
- ページ
- 217/910
このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている217ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集 の電子ブックに掲載されている217ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-215-SY1-3 NPPV神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター瀬尾 龍太郎急性呼吸不全に対するNPPV(noninvasive positive pressure ventilation)は、現在様々な施設、様々な状況で広く使用されている。その理由として、非侵襲的であるという点、利用しやすいという点に加えて、有効性が示されたランダム化比較試験が多いという点が挙げられる。一方で、NPPVの欠点も認識されてきている。本演題では、現在までに発表された臨床データを中心に、NPPV の適応と限界、ならびに今後の展望について、下記の疾患別に考察する。(1)COPD増悪/COPD 患者のウィーニング、(2)うっ血性心不全、(3)免疫抑制患者、(4)術後呼吸不全管理/ 予防、(5)抜管後呼吸不全管理/ 予防、(6)ARDS、(7)気管支喘息、(8)外傷、(9)その他SY1-4 ECMOによる肺保護戦略日本医科大学付属病院 外科系集中治療科市場 晋吾、梅井 菜央、杉田 慎二適切な肺保護戦略に基づく人工呼吸療法では、ガス交換を維持できないほど重篤化した場合には、VILI を回避し、全身状態を安定化するためにECMOの導入が考慮される。ECMOは、人工心肺装置を簡素化した形態で、高性能な遠心ポンプと膜型人工肺から構成される補助循環である。ECMO の臨床的意義は、体に必要なガス交換を代行して、生体心または肺を休め、VILIを回避しながら、原因疾患の治療の時間稼ぎをすることである。インフルエンザなどのウィルス性肺炎は、時間単位で急速に重篤化することがあるので、その前にECMOが可能な専門施設への転送が望ましい。デバイスの改良に伴い、より長期安全なECMO が可能となり、様々な応用技術が試みられている。例えば、敗血症ARDSのような心肺両不全の患者に対するhybrid configurationECMO、ECMO チームが搬送先の病院に出向き、ECMOを導入して安定させてから搬送するECMO transport、ECMO を導入して覚醒させてリハビリをしながら肺移植の待機をするbride to lung transplant、COPDなどの慢性呼吸不全の急性増悪に対して、CO2 のみを除去し、抜管を避けるExtracorporeal CO2 removal(ECCO2R)などである。しかし、ECMO を安全かつ効果的に行うためには、地域の中で各施設の集中治療チームが、経験を積みながら診療のプログラムを創り上げていくことが最も重要である。