ブックタイトル第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
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第43回日本集中治療医学会学術集会プログラム・抄録集
-205-EL35北里大学病院東條 圭一、藤井 正実、木下 春奈、田村 美沙紀、中村 恭子【目的】集中治療室では、人工呼吸器や補助循環装置など多くの医療機器が使用されている。そして、それらの医療機器は患者の生命維持になくてはならないものであり、故障や異常が患者の生命に影響を与える場合が少なくない。このため医療機器、特に生命維持管理装置を使用中、そのトラブルの兆候を発見し対処するためには使用中点検が重要となっている。しかし、ラウンド点検を中心とした使用中点検を行う際には、業務の忙しさのあまり点検がきちんと行われず、トラブルの兆候を見逃す可能性がある。今回の講演では、医療機器を取り扱う医師や看護師、臨床工学技士に対して、補助循環装置を中心に、日常業務で発見できる多くのサインから、医療機器のトラブルを発見するのみでなく、患者の状態を把握するのに役立つサインを紹介したい。【内容】集中治療室で使用される医療機器の代表として、補助循環装置がある。補助循環装置の一つであるIABP装置は、動脈波形やバルーン内圧波形など、機器の作動を確認できるサインがたくさんある。例えば、バルーン内圧波形からカテーテルのキンクやヘリウムガスリークなどを発見できる。さらに、動脈圧波形を観察することによりIABPの効果を判定することが可能である。これらの判断は、難しい知識は必要なく、見方を覚えればトラブルを回避できるようなサインがたくさんある。PCPS装置やECMO装置では、血液の色、人工肺の血漿リーク、遠心ポンプの異音、血栓の形成などの見逃してはいけないサインがあるが、これらは、それらのデバイスの特性を理解することにより、多くの情報を得ることが出来るとともに、トラブルを未然に防ぐことができる大切なサインである。更に、血液ガスデーターやバイタルサインモニターを正しく見ることにより、患者状況を把握することが可能である。例えば、カプノメーターの波形を観察するだけで自己の心拍出量が予想でき、多くのパラメーターを組み合わせることによって、自己心の回復まで判断することができるサインがある。【まとめ】多くの医療機器を使用する集中治療室において、患者の安全を守るために、各施設では数々のチェックリストを用いて点検を行っていると思われる。点検時、医療機器発せられるさまざまな危険サインを見逃さないようにチェックすべきポイントを絞って確認することにより、効率的に医療機器のトラブルを防ぐことができる。教育講演 35 2月14日(日) 10:00~10:50 第12会場ICUにおいて見逃してはいけないサイン