JSICM The Japanese Society of Intensive Care Medicine Kyushu Branch 日本集中治療医学会 第7回 九州支部学術集会

会長挨拶

会長 蒲地正幸
日本集中治療医学会 第7回九州支部学術集会
会長 蒲地 正幸
産業医科大学 救急・集中治療医学講座

日本集中治療医学会 第7回九州支部学術集会の会長を務めます産業医科大学 救急・集中治療医学講座の蒲地です。支部学術集会を開催させていただくにあたりご挨拶申し上げます。

第7回九州支部学術集会は2023年7月15日(土)、北九州市小倉北区の北九州国際会議場での開催を予定しております。日本集中治療医学会50周年という記念の年に開催できることを光栄に存じます。

今回のテーマは「集中治療の未来を見据えて」とさせていただきました。心肺蘇生法の父と呼ばれるPeter Safar先生がボルチモア市立病院にIntensive Care Unitを整備されたのが1958年のことです。その後、我が国にも集中治療室が整備されるようになり約半世紀が経過しました。人工呼吸器の性能も当時と比べると驚くほど向上しました。最近では人工呼吸器をはじめ多くのコンピュータ制御のME機器が当たり前のように集中治療の日常に入り込んでいます。ECMO治療も多くの施設で行われるようになりました。集中治療医学に関しては教科書もない時代から、今では様々なガイドラインやバンドルが整備されてきました。精度の高い医療機器の進歩とあいまって集中治療の質の向上と発展には目を見張るものがあります。今後は診断や治療の分野においてAIの導入も進むことでしょう。

これまで集中治療医学は一般の人にとって認知度の低いものでしたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機にその認知度も少しは上がってきたように思います。また、2022年4月には集中治療科領域が日本専門医機構のサブスペシャルティ領域に認定されました。その陰には集中治療医の存在の重要性を国や専門医機構に理解してもらうため、日本集中治療医学会の現理事長をはじめとする多くの方々の精力的な活動と忍耐強い努力があったと伺っております。今後も、未来を見据え、基礎、臨床の領域で集中治療医学の質向上に向けた取り組みが求められます。専門医や専門看護師の育成を行い、臨床工学技士、薬剤師、理学療法士、管理栄養士などとの多職種連携を充実させ、社会に貢献できるメジャーな医学領域として発展させていかなければなりません。

近い「未来」では、医師の働き方改革の施行が間近に迫っております。集中治療領域において今何ができるのか、この機会に皆様と意見交換をできればと考えております。特別講演、教育講演、シンポジウム、一般演題など多くの企画をご用意してお待ちしております。

今回は小倉での現地開催の予定です。少し足を延ばせば門司港レトロなどの観光スポットもございます。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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