46回日本集中治療医学会近畿地方会を開催するにあたり

 近年、日本集中治療医学会は日本医学会の分科会となりましたが、それとともに地方会組織も整備されてきました。近畿地方会では昨年、それまでの世話人会が評議員会に改められ新たに幹事会が設置されました。こうして新しい組織となり学会としての形を整えつつあるわけですが、これまで近畿地方会には、中央の学会にはないざっくばらんで自由なディスカッションが許される雰囲気がありました。学会としての地方会のあり方や方向性を模索しつつ、こうした特性や雰囲気も大切にしながら発展していけるよう努力していく所存です。

 パネルディスカッションとして「ICUCCUにおけるリスクマネジメントの工夫」をとり上げました。昨今、国立大学の民営化をはじめ医療の効率化・合理化の波が押し寄せる中、医療事故防止にどのように取り組むかは重要な問題です。しかし、これに対する各施設の対応は全国的にみてもまちまちであり、集中治療施設としても統一的な対応が取られているわけではありません。パネルでは、なんらかの方向性が見える議論となることを期待しております。教育講演を2題お願いしました。「人工呼吸管理」と「経腸栄養法」の最近の進歩についてご講演いただきます。また、看護部門ではワークショップ「第6ICU看護研究会」を開き「食べることを考える」というテーマで議論を行います。教育講演「経腸栄養法」がひとつの基調ともなればと考えております。一般演題としての応募は医師部門で37題、看護部門で10題ありました。自由で有意義な情報交換の場になることを願っております。なお、一般演題の中からパネルディスカッションに2題、ワークショップに1題をとり上げました。また、時間の関係から教育講演は昼食時に行いますが、学会予算の中から軽食を用意することにしました。これについては、万が一、数が不足する場合はどうぞご容赦くださるようお願い申し上げます。

 今回の地方会が医師・看護婦・コメディカルの別なく集中治療にかかわるすべての方々にとって有意義なものとなり、近畿地方会ならびに集中治療医学の今後のさらなる発展に寄与できるものとなることを期待しております。

46回日本集中治療医学会近畿地方会会長

大阪大学医学部附属病院集中治療部

妙中 信之