U35 月例報告 2023年12月
2024年1月10日
■座談会開催報告多職種教育チーム座談会
報告者:福勢 麻結子 開催日:12月4日
今回は、シミュレーション教育やLMS(Learning Management System)をテーマとして座談会を行いました。
シミュレーション教育は、実際の臨床現場を再現することで専門的な知識や技術を身につけることを目的としています。 しかし、準備に要する労力や、時間、参加者の確保の問題などがあり、教育に取り入れることが難しいという課題もあります。 協力者を募ることによる労力の分散や、医療安全から発展させた内容とするなどの動機づけで参加率の増加を図ることも必要であると考えられました。
シミュレーション教育の機会がほとんどない職種もありますが、直接的に関わらない職種が参加することで、職種間理解に繋がるといった意見もありました。
LMSはいつでも受講できるという利点がある一方、受講者の管理や情報量が比較的少ないといった問題もあります。
LMSに取り組むことを前提とした講習会を企画すると効率的な学習に繋がるかもしれません。
今後も集中治療室における多職種教育について、座談会を継続していく予定です。
第3回CE座談会
テーマ:「多施設連携について」
報告者:加藤 孝昭 開催日:12月12日
U35企画:U35多施設連携について、当日の発表抄録、スライドの確認、別内容として若手CEの学会勧誘方法、その他の広告方法をU35所属CE7名で相談しました。
U35多施設連携の抄録、スライドについて意見交換を行い、また、若手の学会勧誘に関しては、より若手を勧誘できるように日本臨床工学技士会でブース出展のような形で勧誘が出来ないか等の意見が出されました。
これに伴い若手の教育や発表について各施設での方法を共有しました。
この件に関してはU35キャリアでの発表内容の参考になるため、引き続き検討課題としました。
今後、他職種にもCE座談会を見て貰えるように、魅力あるテーマを見つけ、他職種コラボへ繋げて行きたいと思います。
【第4回CE座談会予定】
時期:1月16日 21:00~
内容:前回の内容に引き続き、キャリアに関して議論予定です。
第6回リハビリ座談会
テーマ:「重症患者リハビリテーションガイドラインJ-ReCIP2023を読もう!」
報告者:髙橋 佑太 開催日:12月22日
先日Publishされた本邦の重症患者を対象としたリハビリテーションガイドラインに関する意見交換を座談会にて実施しました。
参加者は理学療法士・医師・薬剤師などの多職種が参加し、ガイドラインの推奨内容と実際の臨床での運用という点で様々な意見が挙がりました。
ガイドラインに推奨はあるが、特定の機器が存在しない施設ではその介入が実施できない、マンパワー不足でうまく運用できていないなどが各施設で経験されているようでした。
とくにICUにおける神経筋電気刺激に関する話題では、施設ごとにその活用状況が異なるようでした。
ガイドラインをいかに臨床に反映させるか、今後も考え続ける良いきっかけになったように思います。今後も様々なテーマについて議論していきたいと思います。
第9回緩和ケア座談会
報告者:石上 雄一郎 開催日:12月28日
今回のテーマはコンフリクトと困難事例の影にある発達障害がテーマでした。非常に難しいケースでプレゼンターの苦労がとても伝わる内容でした。 コンフリクトはどれだけベストを尽くしても解決しないことはあります。 医療者も自分の力不足なのではないかと辛くなってしまうことがあります。 こうしたケースを共有することは勇気も入りますが、利害関係がない仲間で安全な場でいろんな視点のコメントがあるのはいいことだとあらためて感じました。
発達障害は、緩和ケアの分野ではコアトピックの1つです。
こだわりが強い患者はクセが強い患者や家族と称されるだけであまり対応がうまくいかないことがあります。 医療者は陰性感情が出やすいです。レッテル貼りになってはいけない一方でアセスメントも必要です。
言葉通りに受け取ってしまう、忖度ができない、予定外のことに混乱してしまうなどは自閉症の発達特性があるかもしれません。
①環境調罄(物理的構造化)②スケジュールの共有(時間的構造化)③紙面や絵を使った視覚化(視覚的構造化) などの構造化やなるべくシンプルに伝えることが重要だと言われています。
<参加者からのコメント>
真摯な診療と想いが伝わってくる事例共有、本当にありがとうございます。
そしてディスカッションを通じて、つかずはなれず、そして見捨てずに関わることの大切さに気づかせていただきました。
JSICM U35で系統的レビューをやってみよう
報告者:小谷 祐樹 開催日:12月29日
系統的レビューにおける研究テーマの決定について共有した後、事前に集めた研究案について参加者でディスカッションしました。
研究テーマの選択は、研究を始める際に誰しもぶつかるハードルです。どのポイントで躓き悩んでいるかという事実、そしてどう克服しているかについて、参加者の経験をシェアしました。
研究案については、医師だけでなく、理学療法士・作業療法士・看護師から各職種が日常的に感じている臨床疑問がたくさん集まりました。
異なる立場のメンバーが議論に参加することで、発案者本人も気が付かないような角度からの指摘もあり、大変盛り上がりました。
引き続き、研究に関連した座談会を定期的に実施していく予定です。
経験不問ですので、ご興味ある方はお気軽にご参加ください!
発行者:U35プロジェクト運営委員会