U35 月例報告 2023年8月
2023年9月11日
■Topics日本集中治療医学会50周年記念企画 サマーキャンプ IN NISEKO 参加報告
報告者:福井 俊輔
8月25日~26日、日本集中治療医学会50周年記念企画の一環として「サマーキャンプ IN NISEKO」が開催されました。北海道のニセコの地に300名を超える参加者が集い、自然に囲まれた開放的な環境で集中治療について学びました。
私たちU35は、セミナー1枠と懇親会の企画の一部を担当し、U35を代表してワーキングメンバーとして4名、セミナー講師として1名が参加しました。「デジタルツールを活用したインプット・アウトプット術」と題したセミナーは、デジタルツールを使って、効果的・効率的に学習する方法を考える機会となりました。
懇親会では、U35をいつも支えて下さる先生方をはじめ、U35メンバーに協力いただき作成したビデオメッセージを上映し、U35メンバーのもつ熱意を伝えました。会場では、多くの先生方がU35へ声をかけて下さり、応援の言葉をいただきました。U35の活動への期待を直に感じ、明日から頑張っていく活力になりました。また、普段はonlineでしか交流できないU35メンバーとも対面で交流することができました。たくさんの刺激を受けることができ、改めて施設や職種の垣根をこえた繋がりをもてたことに感謝しています。
最後になりましたが、ご指導いただきました先生方、ワーキンググループのみなさまに心から感謝申し上げます。
日本集中治療医学会50周年記念事業 国際イベントOceania Week
報告者:井上 優汰
岐阜県の郡上市民病院にて外科専攻医として勤務しております、卒後4年目の井上優汰と申します。日本集中治療医学会50周年記念事業国際イベントの一環として、「オセアニアにおける集中治療教育」という趣旨で「Oceania Week」が開催されました。今回はオセアニアの集中治療専門医試験を実際に受けたり、集中治療の教育や歴史を作ってきた偉人にインタビューしたりするという企画に、JSICMのU35メンバーとして5名が参加させていただきました。企画の様子は動画としてYou Tubeにアップされ、Vol.1〜4に分けられています。
URL:https://www.jsicm.org/50Oceania_Week.html
Vol.1では、オセアニアの集中治療専門医の筆記試験にチャレンジし、口頭試験についてDr. Mary Pinderに迫りました。Vol.2では集中治療の臨床教育専門家のお二人に、Vol.3ではICU専門理学療法士であるProf. Carol Hodgsonにインタビューしました。Vol.4では集中治療領域の世界的権威であるProf. Rinaldo Bellomoにインタビューを行いました。
Vol.1の筆記試験では、医学知識だけでなく実臨床に則したマネジメント力が問われ、非常に質の高い試験であると感じました。またProf. Bellomoは桁違いな実績を持つ偉人であるにも関わらず若手に対する懐が深く、「Doubt and challenge!」「Start earlier!」「Step by step, step by step, step by step!」など、多くの格言を伝えていただきました。
全体を通して、どのインタビューにも数多のメッセージ性が込められており、日本の臨床、研究、教育における風土やシステムを変えるような金言が多いのではないでしょうか。そしてU35としても今回の企画を通じて非常に視野が広がったので、ぜひ今後の活動および若手医療者のキャリア形成に活かしていければと考えます。
最後になりましたが、構想から編集までご尽力下さった小野雄一郎先生、藤井智子先生、森本健司先生をはじめ50周年記念事業準備委員会の皆様方、国際交流委員会の関係者の皆様方へ、このような大変貴重な機会をいただきましたことに深く御礼申し上げます。ありがとうございました。
■座談会開催報告
「第5回緩和ケア座談会」医療的ケア児の救急での対応やコミュニケーション
報告者:石上 雄一郎 開催日:8月23日
成育医療センターの緩和ケア科の鞍谷先生、名古屋大学のNICUの上田先生をゲストにお呼びしてディスカッションしました。小児集中治療を行うU35メンバーからもコメントをいただきました。
・重症児(重症心身障害児(者))と医療的ケア児
・重症児の疾患の軌跡
・重症児の(代理)意思決定支援
を共有いただきました。この領域は時々ICUで会うことがあっても体系的に学ぶことなく、ご家族さんとの対話の中でなかなかうまくいかないことを感じることもあります。普段違うフィールドで働いている先生方とのクロストークは気づきが多くてとても楽しいものでした。
以下参加者のコメントです。
“あっという間の1時間で、とても勉強になりました!!成人領域との違いや共通点、また、重症児の特徴、NICUとPICUの違いについても考えを巡らせることができて、とても刺激的でした!最後の時に蘇生以外で、抱っこしてあげて家族での時間を過ごすという選択肢があることが素晴らしいと思いました。”
発行者:U35プロジェクト運営委員会