U35 月例報告 2024年6月

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2024年6月

■Topics
第8回集中治療医学会中国・四国支部会
報告者:松本 丈雄  開催日:6月15日

6月15日に第8回集中治療医学会中国・四国支部会が広島コンベンションホールで開催されました。 会場には過去の平均(337名)を大きく上回る626名の来場があり、非常に賑わった支部会となりました。
U35からはパネルディスカッション「U35による研究お悩み相談会」を企画し、医師、看護師、薬剤師、 理学療法士から一名ずつ登壇いただきました。みなさんのリアルな悩みや、いかに壁を乗り越えていったかを聞くことができ、 「自分も頑張らねば・・・!」と、モチベーションをいただきました。朝一番のセッションだったにも関わらず多くの聴講者にご参加いただき、 皆様に感謝です!本セッション以外でもU35メンバーの活躍する姿を現地で見ることができ、現地開催のありがたみを実感しました。
今後も支部会から学会を盛り上げていければと思います!

■座談会開催報告
第2回おくすり座談会
テーマ:鎮痛・鎮静薬はどこで突っ込む!?
報告者:荒川 希美  開催日:6月20日

今回は看護師と薬剤師のコラボレーション企画であり、医師やセラピスト等も参加され多職種でお話ししました。
人工呼吸器管理中の鎮静剤は、プロポフォール・デクスメデトミジン、鎮痛剤はフェンタニルを中心に使用している施設が多いようです。
術後の疼痛管理として、術式によってはPCA(Patient controlled analgesia)だけでなくアセトアミノフェンなどの定期投与やプロトコルでの鎮痛剤調節など、 各施設の取り組みを提示し、よりよい管理について多職種目線で意見交換ができました。
鎮痛・鎮静剤を追加する評価基準としては、意識レベルに応じてはCPOTやBPSなど施設毎に指標はあるものの、 薬剤調節の基準や薬剤選択に関しては医師や看護師個々の評価に委ねられる部分も大きい印象を受けました。
また、挿管の際に使用する鎮痛・鎮静剤の違いに関しても議題に上がりました。各施設の麻薬に対する取り扱い状況も影響しているようです。
さらに、近年適応拡大となったレミフェンタニルについて各施設や多職種・診療科(救急科・集中治療科・麻酔科など)の様々な経験談をもとに盛り上がりました。 フェンタニルとの投与量換算が示されていない薬剤であり、文献上や血中濃度シミュレーションと比べた実臨床での使用感覚との乖離、 呼吸に影響する投与量や効果発現に関する速度など特性も加味した様々な検討ができました。

第14回緩和ケア座談会
報告者: 吉澤 和大  開催日:6月26日

今回のテーマはTime Limited Trial でした。あらかじめ決めた期間、患者に生命維持治療を行い、患者の経過を評価し、 結果を再検討する 患者、家族、医師の間での合意です。ただ始めるだけではうまくいかず、コミュニケーションのプロセスが重要です。 予後が不確実な時・患者の価値観が不明確な時・意見の対立がある時には行うということで、今年の3月の集中治療学会でもセッションがありました。 今回は、その中で実践する上でのハードルの話がありました。

<今後の目標・課題>
ACPと同様に、ひとまずTLTを行えばよいという認識が一人歩きしそうだ、他の部門の医師とそうした話を提案するのが難しい、 そもそも治療中止や差し控えについての考えが違うという話がありました。 多職種カンファで提案することや、振り返りで冷静な時に話し合うこと、 臨床倫理や医療安全といった病院としての取り組みとして行うことなどの意見が出ました。 今回は初参加の人もたくさんいて、有意義な話し合いとなりました。 やはり、TLTの話をするときには治療の中止・差し控えとは切っても切り離せないテーマであり、 どう向き合うかが試される分野だなと思いました。

リハチャンネル座談会
報告者: 柳澤 佑哉  開催日:6月28日

今回はリハスタッフへのQ&Aというテーマで事前に実施したアンケートをもとに議論を行いました。
さまざまな他職種からの疑問を考える中で、自分たちでも新たな発見や改めて認識する点が多々あり、非常に勉強になりました。

発行者:U35プロジェクト運営委員会