TO JOIN THE INTENSIVE CARE TEAMインタビュー 中野 晴恵
略 歴
1983年群馬県生まれ。理学療法士、認定理学療法士(循環)、心臓リハビリテーション指導士、3学会合同呼吸療法認定士、集中治療理学療法士。学生時代に実習先で現日本集中治療医学会理事の高橋哲也先生と出会い集中治療分野に憧れ・興味を抱きこの世界へ。群馬大学保健学科を卒業、現在は群馬県立心臓血管センターに勤務している。日本心臓リハビリテーション学会では最優秀心リハ学会誌賞を受賞(2023年)。2児の母であり、子育て・臨床・研究・教育と行っている。主な研究テーマは「早期リハビリテーション」「多職種連携」「呼吸機能について」など。

公開日:2024年6月14日 ※所属・役職等はすべて記事公開時点のものです

Q 集中治療の魅力とは?

刻々と変化する患者さんの状態を把握し、どのようなアプローチが最適なのかを日々考え、多職種協働で実施できるところが魅力だと思います。集中治療領域ではリハビリテーションをやらない・進めない理由はいくらでもあると思っていますが、多職種協働であれば乗り越えられることも多く、それも魅力の一つだと思います。

Q 集中治療との関わり

一般病棟とICUを担当しています。

Q この道に入って感じたこと

どの分野でもチーム医療で取り組むのが当たり前ではありますが、集中治療室でのリハビリテーションは見える場所に常に多職種の方々がいてくださるので、特に機器類を多く装着した患者さんへの介入時にはとても心強く、実際の介入場面でも多職種で一緒に介入していると感じることが多いです。

生命維持装置を装着している患者さんにも安全で効果的なリハビリテーションを提供したい

Q これまで所属してきた施設を選んだ理由

学生の頃、実習先となったのが現在の病院でした。その当時ご指導いただいた先生方の、臨床にも研究にも熱心に取り組む姿に憧れて入職しました。

Q これから力を入れていきたい分野

さまざまな生命維持装置の装着を長期間余儀なくされている方々、いわゆる重症患者さんに対するリハビリテーションについて興味があります。リスクが高く中止せざるを得ない状況下でもできる事はないか、どのような方法であれば安全に心身の機能維持や回復を手助けできるのかを考え実践していきたいと考えています。

現在は子育て中、周りのサポートで臨床と研究ができている。将来は自分も支える側に立ちたい

Q 今後のキャリア

現在は子育て中で、研究活動に思う存分の時間を割くことは難しいですが、今の生活の中で出来る事を積み重ねていきたいと思っています。通常業務と臨床研究を続け、得られた知見を患者さんに還元し、より効果のあるリハビリテーションの提供ができるようになりたいです。

Q 多職種連携で大切にしたいこと

当院では毎朝、医師の回診に同行し、リハビリテーション内容について指示をいただき相談もしています。看護師ともその情報を共有し時間調整を行います。生命維持装置装着中の方においては、臨床工学技士とも必要な時間調整を行ったうえでリハビリテーションを実施しています。

Q 印象に残る経験

まず私たち療法士の介入が必要だと言ってくださる先生方をはじめ、リスクが高くリハビリテーションをする上で多職種のマンパワーがかかるような方であっても、どうしたら安全にリハビリテーションが実施できるのかをチームで考え実践できる環境で働けている事にとても感謝しています。

Q 次世代の仲間へのメッセージ

治療で長期臥床を余儀なくされ、自身で身体を動かすことが難しくなった方でも、集中治療室から早期のリハビリテーションで動けるようになっていく姿を見ると感慨深く、やりがいのある領域だと思います。

Q 10年後の自分へ

家事育児と仕事の両立は周りの方々の協力があっても尚、何事も中途半端だと思い悩むことがある日々ですが、10年後は子供が手を離れ今よりも落ち着いた生活をしていることかと思います。周りの方々の協力で臨床や研究を続けることが出来ているので、今度は自分が周りの方々をサポートしている存在になっていたいです。