事業内容
Description of Business事業計画
日本集中治療医学会 各種委員会 2021年事業計画
統括教育委員会
Ⅰ.目標
各種セミナー等の管理を一括して行う。職種間や支部でのセミナー等についても管理する。
Ⅱ.活動計画
- 各職種でのセミナー管理
- 支部でのセミナー管理
- 各職種のセミナー責任者との会合
教育委員会
Ⅰ.目標
新専門医制度に準拠した教材の作成と専門医試験と基盤となる日本集中治療医学会専門医テキストの出版企画
Ⅱ.活動計画
- 日本集中治療医学会専門医テキストの出版企画 ハンズオンセミナー委員会、セミナー委員会、統括教育委員会、専門医試験委員会、専門医制度・審査委員会と連携を図り2019年3月に日本集中治療医学会専門医テキストが出版されており、2023年度を目処に第4版の出版を企画していく。
ハンズオンセミナー委員会(Ad Hoc)
Ⅰ.目標
- 日本集中治療医学会会員のため、Off-the-Jobトレーニングとしてのハンズオンセミナーを企画・運営する。
- 集中治療医学に興味を持つ医師・医療従事者対象にハンズオンセミナーを企画する。
- 感染対策を考えた講習会を行うため、ハンズオンセミナーの講義部分と集合講習を可能な限り分離して、講義は事前のWeb講義とすることを目標とする。
- ハンズオンセミナーのインストラクターや受講者の名簿管理をおこない、専門医制度確立後は、領域講習としての単位修了書をインストラクターや受講者へ交付する。
- 他の関連学会(主に基本領域学会)の領域講習として認めてもらえるように交渉・申請する。
- 各ハンズオンセミナーが継続的に開催可能となるように、インストラクタ、アシスタント制度・役割を明瞭化、またその養成プログラムやFaculty Developmentについて検討する。
- ハンズオンセミナーの必要性を年1回確認して、改善の必要なハンズオンセミナーには改善目標の提出を促す
- 新規ハンズオンセミナーの受付および審査・許可をおこなう。
- ハンズオンセミナーの必要性を再確認して、講義は可能な限りWeb開催とする。Web講義+ハンズオンセミナーを一つの講習とするが、講義だけでも受講できる形式を作成する。
- 合同ハンズオンセミナーを年2回行う。
1回のハンズオンセミナーの開催期間は2日間とする。
2回のうち、1回は集中治療医学会学術集会と協力して、学術集会プログラムの進行を妨げないように行う。
また、日程をずらして(可能なら秋)独立開催ハンズオンセミナーで行う。
また、開催会場などに制限がある腹臥位ハンズオンセミナーと会員の応募者の多い神経集中治療ハンズオンセミナーは合同ハンズオンセミナーに加え年1回個別に開催する予定である。
A:集中治療医学会学術集会前後日に行うハンズオンセミナー - Be an Intensivistコース
- J-PADガイドラインセミナー
- 緊急気道確保対応トレーニング
- 神経集中治療ハンズオンセミナー
- 臓器提供ハンズオン
- 非同調・経肺圧セミナー
- 腹臥位ハンズオンセミナー
- Rapid Response System 出動スタッフ養成コース
- 脳波セミナー 1〜7のハンズオンセミナーは救急医学会の領域講習認定済み)
- Be an Intensivistコース
- J-PADガイドラインセミナー
- 緊急気道確保対応トレーニング
- 臓器提供ハンズオン
- 非同調・経肺圧セミナー
- Rapid Response System 出動スタッフ養成コース
- 神経集中治療ハンズオンセミナー(+脳波セミナー)
- 腹臥位ハンズオンセミナー
- エコーハンズオンセミナー(成人)を2021年秋に1回行う(通常は春と秋に地域の偏在をさけるため東日本と西日本にて1回ずつ行っている)。1回のセミナーは2日間とする。エコーハンズオンセミナー(小児)を2021年秋に1回行う。
セミナー委員会(Ad Hoc)
Ⅰ.目標
リフレッシャーセミナー、MCCRCの再開にあたり、基本的にはe-learningへの移行をする。
Ⅱ.活動計画
- e-learningのコンテンツと講師を決める。
リフレッシャーセミナーやMCCRCの座学はe-learningにする。特にリフレッシャーセミナーはコンテンツ、講師、確認テスト作成に関して決め、依頼する。
MCCRCは英語のe-learningのセリフを日本語訳するのか、スライドを使って日本人が講義するなどいくつかの方法を検討し、最終的にe-learningでの開催方法を決める。 - e-learningにする場合のスライドの著作権の判定のガイドラインとプロセスを作成
e-learningにする場合スライドの図、表、絵は著作権の問題がでてくる。セミナー委員会では各スライドの著作権に関して判定するガイドラインを早急に作成し、さらにそのガイドラインに沿って判定するプロセスを決める。 - MCCRCの開催の継続に関して
日本版のMCCRCに相当するセミナーを作成するかどうかについてセミナー委員会で意見をまとめる。
CCU委員会
Ⅰ.目標
集中治療医学と循環器病学の双方の発展のために、循環器集中治療に関する啓発活動を推進するとともに、課題について協議する。
Ⅱ.活動計画
- 学術集会における循環器関連企画の立案と推進
以下の学術集会において循環器集中治療に関する企画を検討し、テーマの選定や座長・演者の推薦を行う。
① 第49回日本集中治療医学会学術集会(2022年3月18日―20日仙台)
② 第86回日本循環器学会学術集会(2022年3月)
ほか、各種循環器関連学会との連携を行い、セッションを企画する。 - 循環器集中治療に関する最新情報の提供
本会会員に対して集中治療に必要な循環器病学に関する最新情報の提供を学術集会や機関誌を通して実施する。
① “循環器の救急・集中治療”に関する書籍企画
心臓血管系の集中治療・管理に関して現在における最新知識と実践をまとめ、集中治療の現場で日々苦慮している若手医師に役立つ書籍を発刊する。
② 開設されたCCU委員会ホームページの有効活用
循環器集中治療に関する最新の情報提供を行う。 - 循環器集中治療の推進に関する課題
日本循環器学会と循環器集中治療をさらに発展させるための課題について検討を行う。
① CCU施設基準の改訂作業(2004年作成版、改定日:2007年3月24日)
② 特定集中治療管理料(日本循環器学会との共同活動として合同WGを設置)
- 循環器集中治療に関するトレーニングの支援と開催
日本循環器学会が心停止自己心拍再開後集中治療のためのシミュレーションコースとして開催しているPCASトレーニングの企画・運営を支援し共同開催を企画する。
① 日本集中治療医学会学術集会前日のハンズオンセミナーの開催
② 日本循環器学会が開催しているPCASトレーニングセミナーの後援
国際交流委員会
Ⅰ.目標
- アジア諸国と連携して、国際交流の推進を図る
- 国際学術団体との交流を深める
- SCCM/ESICM/KSCCM/TSCCMとの定期的なビジネスミーティングを開催時に国際交流委員会マターも議論していただく。ビジネスミーティングとお土産の準備のリマインダーをかける
- アジア諸国での交換留学制度を軌道に乗せる。毎年JSICMから3名(各10万円)、アジア諸国(毎年一か国ずつ)3名の人員を選定し、一人1000ドルを支給する(渡航費、ホテル代として)
- SNSで教育的な情報を流す(official FBを使用するといいのではないか)広報委員会担当理事の松田先生、委員長の讃井先生に問い合わせをする。国際交流委員会代表にもアクセス権を与えていただき、各国際学会の有用な情報を流すようにする
- 新たに台湾(TSCCM)とJSICMと契約を結び、joint congressを定期開催する
- WFICCの情報を学会員に情報提供する
2019年に藤谷が理事として選出された。
現在の活動内容について説明をした。今後は月に1度会議が開催されているので、必要な情報を理事会に報告する。
そして今後は、国際的なロビー活動なども活発にしていく必要があり、2023年度の理事選に向けても活動をしていく。
社会保険対策委員会
Ⅰ.目標
- 2022年度診療報酬改定に向けて、本学会の要望を実現するよう活動する。
- 診療報酬に反映されるべき集中治療医の活動に関わるデータの収集を行う。
- 2022年度診療報酬改定に向けた活動
* 外保連各委員(下記)は年数回の委員会をはじめとした活動を継続する。
処置委員会:細川康二
実務委員会:飯塚悠祐
検査委員会:志賀卓弥
手術委員会:飯塚悠祐
麻酔委員会:飯塚悠祐
* 内保連各委員(下記)は年数回の委員会をはじめとした活動を行う。
遠隔診療関連委員会:西山慶
循環器関連委員会:飯塚悠祐
* 特定集中治療室管理料の体系および重症度評価票の内容の再検討を行う。
* 集中治療室を利用すべき患者の指針をICU機能評価委員会と協同で作成する。 - 集中治療医の活動に関わるデータ収集
* DPCデータを利用して、特定集中治療室および救命救急ICUの利用実態を解析する。 - その他
* 第48回学術集会における委員会企画やシンポジウムの企画を行う。
専門医制度・審査委員会
Ⅰ.目標
現行の専門医・研修施設の認定制度を日本専門医機構の新専門医制度に近づけた改定を行い、運用する。
Ⅱ.活動計画
- 制度の見直し
現行制度の見直しを行い、申請に関する書類を改訂する。 - 2021年度の審査
専門医の書類審査、試験問題の校閲、試験監督を行う。研修施設の書類審査、実地審査を行う。 - 整備基準・カリキュラムの確認
専門医制度・サブスペ専門研修タスクフォース、サブスペシャルティ専門研修プログラム作成委員会(Ad Hoc)と連携し、新専門医制度に向けた整備基準・カリキュラムを確認する。 - 日本専門医機構の新専門医制度に向けた準備
サブスペシャルティ領域の専門医と研修施設の申請要件を検討する。
専門医試験委員会
Ⅰ.目標
専門医の資質に値する知識を確認する上で必要な試験制度を整えることを目標に、専門医試験問題作成及び過去問題の掲示と、e-testに向けて準備を進める。
Ⅱ.活動計画
- 2021年度専門医筆記試験問題作成
年6回(予定)の委員会で問題を校閲し、優良問題を作成する。
(問題作成方法を変更したため、委員会開催が増えると思われる。)
試験終了後は問題を再検討し、2021年度専門医試験問題、正解として掲示する。 - eテスト
eテストの公開に向けて、2017年、2018年、2019年、2020年度専門医試験問題をe-testに組み込むための修正を行い、受験者学習用として公開する。
サブスペシャルティ専門研修プログラム作成委員会
Ⅰ.目標
2021年10月よりサブスペシャルティ領域専門医制度の専攻医公募が開始となる。
日本専門医機構のスケジュールに則り、関連する基本領域と合同で3月に検討委員会を立ち上げカリキュラムを作成する。
Ⅱ.活動計画
- カリキュラム作成
- 症例登録システム、オンライン申請システムの検討
小児集中治療委員会
Ⅰ.目標
2020年度の活動を継承し、小児集中治療にかかる諸問題について検討し、わが国の小児集中治療領域の臨床・教育・研究の向上に寄与する。
小児集中治療連絡協議会の活動をより活性化し、日本小児麻酔学会・小児循環器学会小児循環器集中治療研究会・日本小児集中治療研究会のみならず、日本小児科学会における関連活動とも連携しはじめた。小児集中治療にかかる活動を一本化してゆくことを、2021年度の主たる継続目標としたい。さらに、看護師はじめ多職種関連の検討事項も活性化させてゆく方針である。
Ⅱ.活動計画
- 小児集中治療連絡協議会
新たな施設参加の呼びかけ。
災害支援WG活動継続。診療報酬改定に向けての意見集約。
次回診療報酬改定にむけて、施設調査はじめ各種情報収集を実施している。
基本的にはメール・電話・テレビ会議等で完結する方向であるが、現地調査が必要となった場合は、委員によるサイトビジットをする可能性がある。
新型コロナウイルス感染症の疫学次第ではあるが、1人の委員によるサイトビジットのための交通宿泊費として、最小限度の3回分(5-10万/回)として計上しておきたい。
施設調査継続と年報発行、協議会開催回数を年間複数回とすることを検討。
国際多施設共同研究にかかる情報共有強化と参加強化。
JIPAD加入促進。 - 当学会以外での小児集中治療関連活動との連携
日本小児麻酔学会、小児循環器学会小児循環器集中治療研究会、小児集中治療研究会との連携を進め、お互いの役割分担、連携方針について協議した。
各組織からのオブザーバ招請を継続して委員会で協議し、連携を具体化した。
さらに、日本小児科学会との連携を最終的に強化する方向で調整中であり、Ad-hoc委員会の設定も視野においており、その開催経費を計上したい。 - 国際多施設共同研究の窓口
小児集中治療連絡協議会では、PACCMAN, PALISI, CCCTGとの情報共有を行なっているが、学会・委員会が正式窓口となることで継続性を担保することを検討してゆく。関連他委員会とも情報共有を行う。 - 各種調査・他: 職域背景調査、SARI関連調査を継続する。
臨床倫理委員会
Ⅰ.目標
臨床倫理に関する教育・啓蒙活動を行う。
Ⅱ.活動計画
- 教育講座 集中治療と臨床倫理〜倫理的・法的・社会的問題への対応開催
- 集中治療領域における終末期患者家族へのこころのケア講座開催
- 日本集中治療医学会・日本救急医学会・日本循環器学会合同の終末期症例登録開始
- 第49回日本集中治療医学会学術集会委員会企画を立案し発表
- アドバンス・ケア・プランニングの講義・ハンズオンによる臨床倫理教育コースを立案し実施
機関誌編集・用語委員会
Ⅰ.目標
- 的確でスピーディーな編集作業を行う。
- 学会員へ有益な機関誌を提供する。
- オンライン邦文機関誌の発行:年7回
年6回定期隔月誌
年1回学術集会号(学術集会会長が編集) - 編集委員会(定例年3回・臨時随時)の開催
- 優秀論文の推薦
優秀論文賞選考委員会
Ⅰ.目標
応募論文(優秀論文賞、奨励賞、日本集中治療医学会雑誌賞、Journal of Intensive care賞)を厳密かつ慎重に審査し、4論文を委員会として理事会に推薦する。
Ⅱ.活動計画
- 優秀論文賞の推薦
- 奨励賞の推薦
- 日本集中治療医学会雑誌賞の推薦
- Journal of Intensive Care賞の推薦
薬事・規格・安全対策委員会
Ⅰ.目標
- コロナ感染症拡大に伴う医薬品の安定供給に関し継続調査を行う。
- 特定医療行為に関するアンケート調査結果を、日本集中治療医学会雑誌へ投稿する。
- コロナ感染症拡大に伴う医薬品の安定供給に関し、製薬会社に聞き取り調査を行い、必要に応じ関係各機関と協議する
- 「特定医療行為に関するアンケート調査結果」に関し論文を作成し、日本集中治療医学会雑誌へ投稿する。
会則検討委員会
Ⅰ.目標
各委員会等での審議の結果、会則等の検討の必要性が生じた場合は、理事会の指示があり次第、その都度検討を行う予定である。
Ⅱ.活動計画
各委員会での会則変更の意見が生じた際に,メール審議などで検討し,各委員会へ修正案を提示する.その後,理事会での承認を得る。
Ⅲ.会議開催数
委員会の定期開催は予定していない。
研究倫理委員会
Ⅰ.目標
会員の「研究倫理」の啓発・普及などの教育活動を行う。
Ⅱ.活動計画
- 学術集会における不正発表の疑義の事案に対し、調査し、レポートを作成する。会員の今後の研究倫理の参考となるようにデータを集積する。
- 会員に対し、一般社団法人公正研究推進協会(APRIN)のeラーニングプログラムの受講を呼びかける。
危機管理委員会
Ⅰ.目標
災害時のICU対応について、委員会で作成したテキストの効果を検討する。要素を抽出した小冊子を作成し、会員に頒布する。
新型コロナ感染拡大に対する対応、東京オリンピック・パラリンピックでの対応、その他の災害について検証し、ICUにおける災害対応の課題を抽出する。
Ⅱ.活動計画
- テキストの効果検証
2020年に委員会から発刊した集中治療室のための災害対応についてのテキストの活用状況や、東京オリンピック・パラリンピック開催を踏まえてとられたICUの体制整備の状況について現況調査を実施する。
平成28年度調査の結果とあわせ課題を抽出する。 - 実災害対応の共有、検証会の開催
新型コロナ感染拡大に対する対応、東京オリンピック・パラリンピックにおける対応(特に熱中症)等について、実際に行われたICUでの活動事例を収集する。
検証会を開催し課題を抽出する。 - 小冊子の作成
委員会作成のテキスト、ガイダンスを踏まえ、災害時に手に取って対応を確認できるよう要素を抽出した冊子について、委員会およびWGで検討し作成する。評議員施設に配布する。
広報委員会
Ⅰ.目標
当学会ホームページ、ならびにFacebook、Twitterにて、学会員および一般市民への必要な情報を公開・配信する。
Ⅱ.活動計画
- 学会ホームページの運用
新しい情報やコンテンツの企画・公開、既存ページの修正・更新などを行う。 - FacebookとTwitterの運用
SNSを適切に利用し、当学会から一般市民、医療従事者への情報提供を行う。 - 動画の活用
市民に向けた集中治療についての解説や理事長インタビューなど、動画コンテンツを有効的に活用する。 - 既存ページのメンテナンスや新規コンテンツについて、ホームページ作成ワーキンググループと連携して進める。
ワーキンググループWEB会議 3回予定
個人情報・利益相反検討委員会
Ⅰ.目標
本学会の定めた個人情報・利益相反に関連する検討事案が発生した場合,直ちに委員会を開催し対応する。
Ⅱ.活動計画
- 個人情報・利益相反検討委員会
検討を必要とする事案発生時に速やかに委員会を開催する
CTG (Clinical Trial Group) 委員会
Ⅰ.目標
臨床研究審査およびセミナーの開催等により,本会会員が実施する臨床研究に対する助言,支援,評価等を行う。
Ⅱ.活動計画
- 臨床研究審査
年間の委員会開催日を公開し、開催日にむけて応募案件があり次第、メールによる事前審議を経て委員会審議の予定である。
委員会審議は現在のところ、年4回程度の開催を見込んでいるが、そのうち1回は次項の「臨床研究セミナー」開催に合わせた公開審議としたい。
また、研究応募促進の一助として、研究審議に係る申請者の旅費を学会が補助する制度を継続したい。
なお、臨床研究の推進と若手研究者への細やかな研究支援を実施するために、研究応募者を指導しながら臨床研究の計画・立案とその遂行を支援することを目的として、委員会の下部組織として研究支援WGを咋年度より発足させており、継続して活動を行う。 。 - 「第6回臨床研究セミナー」の開催
昨年、一昨年と、2年続けて開催中止となったが、例年通り、9〜10月前後の開催を見込んでいる。 前項に記した臨床研究の公開審議と合わせ、会員に対する臨床研究の立案から実施、統計解析、結果報告までの一連の流れの教育のための有意義な機会となることを目指す。 - 「臨床研究助成金支給研究」の選出
会員の臨床研究の促進に寄与することを目的として創設された「CTG委員会臨床研究助成金支給制度」対象研究として、当該年度に委員会が承認した研究の中から1件を選出し、研究助成金を授与する。
ICU機能評価委員会
Ⅰ.目標
- 診療の質指標を開発する
- 集中治療専門医研修認定施設の機能評価を実施する
- JIPAD事業を推進する
JIPAD事業について2020年度に開発した日本版Risk of deathの普及に努める。
海外の団体との連携について特にANZICSおよび米国MITとの関係を深める。
JIPADデータを使った臨床研究をさらに拡大させる。
来年度設立予定の遠隔ICUなどをサポートするNPO法人に対して協力していく。
- 診療の質指標開発
全国のICUにおいてQIを測定しevidence-practice gapの実態解明に向けてデータ収集について議論を重ねる。
QI測定のために集中治療専門医認定施設からDPCデータを収集するための準備を進める。 - 集中治療専門医研修認定施設の機能評価
・全ての専門医研修認定施設を対象に、年毎の施設調査を実施
・調査の回答回収率100%かつ精度の高い調査を行い、報告書作成
・認定施設の現状把握・機能評価を行い、学会および学会会員に情報開示・共有を行う。
- JIPAD事業
今年度その設立に協力したECMOnet CRISISとのさらなる連携をはかりつつ、プログラムの修正を行っていく。
さらなるJIPAD参加施設の増大をはかる。実際はセミナーを開催したい。
JIPADの啓蒙活動 より多くの施設参加を目指し、教育セッションなどを開催する。2020年度に関してもマサチューセッツ工科大学、国立シンガポール大学、ANZICSなどと連携しDatathonなどのワークショップを実施する。 - 学術集会における委員会企画
第49回日本集中治療医学会学術集会での委員会報告およびシンポジウムを企画する。
ICU機能評価委員会 JIPADWG
Ⅰ.目標
JIPAD事業について2020年度に開発した日本版Risk of deathの普及に努める。
海外の団体との連携について特にANZICSおよび米国MITとの関係を深める。
JIPADデータを使った臨床研究をさらに拡大させる。
来年度設立予定の遠隔ICUなどをサポートするNPO法人に対して協力していく。
Ⅱ.活動計画
- 今年度その設立に協力したECMOnet CRISISとのさらなる連携をはかりつつ、プログラムの修正を行っていく。
- さらなるJIPAD参加施設の増大をはかる。
- JIPADの啓蒙活動 より多くの施設参加を目指し、教育セッションなどを開催する。2020年度に関してもマサチューセッツ工科大学、国立シンガポール大学、ANZICSなどと連携しDatathonなどのワークショップを実施する。
英文機関誌作成委員会
Ⅰ.目標
国内外の編集委員体制を強化したうえで、論文投稿のグローバル化を図り、アジアを拠点とする集中治療国際誌として、より一層の影響度の向上を図る
Ⅱ.活動計画
- 編集体制強化
迅速かつ的確な査読は質の高い論文掲載には必須であり、国内外の編集委員体制を強化してJournal of Intensive Careの影響度の増強を図る - Reviewer of the year表彰
質の高い論文掲載に必須な「的確な査読」を頂いた会員に敬意を表し、表彰する - Journal of Intensive Care賞の推薦
会員の本機関誌への論文投稿を一層高めるため、優れた論文を優秀論文選考委員会に推薦する - 世界への広報
Social Mediaの活用など様々な手段を通じ、世界の集中治療領域の医療者研究者へのJournal of Intensive Careの認知度を高める
感染管理委員会
Ⅰ.目標
感染管理に関しての日本集中治療医学会での啓発活動
Ⅱ.活動計画
- ICU感染管理データベースの進展を図る(JHAIS, JANIS, J-SIPHE)
現在中央機関がCOVID-19でほぼ停止状態であったが、COVID-19の収束後に、前回から議論された内容の見直しを図る - GSAの活動の一つとしての手指衛生・感染管理遵守率向上に向けた活動
毎年5月のWHO手指衛生キャンペーンのポスター翻訳/配布や、サーベイ参加 - 国際研究への積極的な参加と国内のデータ解析
抗菌薬適正使用調査、DIANA study、EPIC III studyなどのデータをセミナーや学会で共有しAMRアクションプランに準じた抗菌薬の適正使用の普及。
多施設国際研究であるREMAP-CAP studyを進めていく。 - ICTセミナー・ICD講習会の開催
感染制御に関するテーマ決めと、演者の選定を行う。
今年度は、COVID-19がメインになっているが、来年度も、オリンピックの開催の有無を踏まえ状況に応じてテーマを決定する。
Global Sepsis Alliance (GSA) 委員会
Ⅰ.目標
医療従事者の「敗血症」の理解を促進するとともに、一般の市民にも「敗血症」の情報提供を提供する。
予防や早期発見など、市民の方がご自身にもできることがあることを伝える。
敗血症対策を政策に反映する上では、日本の疫学データが必要であり、こちらは日本敗血症連盟(Japan Sepsis Alliance; JaSA)を構成している3学会(当学会、日本救急医学会、日本感染症学会)が協力して行う。
Ⅱ.活動計画
- 敗血症セミナー(医療従事者への知識の提供)
医療従事者の敗血症への理解を促進するために、セミナーを3回開催する。3回の内訳は、当学会主催(3回目)、救急医学会主催(1回目)、JaSA合同主催(2回目、9月の世界敗血症デーの時期に合わせる)とする。
開催費用負担は、1回目と3回目はそれぞれの主催学会、2回目は当学会と救急医学会の折半。セミナーは、当面はウェブ形式での開催を考え、対面でのセミナーが可能になれば、対面に移行する。 - ウェブサイトの内容の充実
一般市民への敗血症の情報伝達の手段として、「敗血症.com」を作成し、運営している。
市民が興味を持ってこのサイトを見てもらえるように、動画を掲載し、敗血症をイメージしやすい構成となるよう工夫している。
このウェブサイトをさらに充実させる。 - 世界敗血症デー関連イベント(一般市民の啓発)
9月13日の世界敗血症デーに合わせて、イベントを開催する。
今年度は、コロナ禍で、ウェブでの市民公開講座を行った。来年度も同様の状況が考えられ、ウェブでの市民公開講座開催を検討する。
同時に、メディアへの連絡を行い、そのメディアでも敗血症と取り上げてもらうことにより、さらなる情報発信を市民に向けて行う。 - JaSA加盟3学会の学術集会での敗血症企画の実施
それぞれの学会の学術集会(集中治療2月、感染症5月、救急11月)で敗血症に関する企画を立案・実行する。
また、可能であれば、それぞれの学術集会時に敗血症に焦点を当てた市民公開講座を開催する。 - 敗血症診療ガイドラインの普及支援
2020年に日本版敗血症診療ガイドライン改訂版が完成したことにより、敗血症セミナーなどで、このガイドラインの内容を医療従事者に知らせるなど、ガイドラインの普及支援を行う。 - 敗血症の疫学研究
敗血症対策を政策に反映させるためには、日本の敗血症疫学のデータが不可欠である。
Disease-Procedure Combination (DPC) データベースを用いてこれを明らかにする。 - 海外の敗血症に取り組む団体との連携
海外のGlobal Sepsis Alliance (GSA) やAsia-Pacific Sepsis Alliance (APSA) と連携し、世界規模での敗血症対策に寄与する。
また、海外での市民への敗血症啓発の方法などを参考にして、日本での情報発信を促進する。
JaSA幹部会議を1回、JaSAメンバー会議を年3回開催の予定。
神経集中治療委員会
Ⅰ.目標
神経集中治療の実態調査を行い、また教育をより充実させる。
Ⅱ.活動計画(箇条書きにし、簡単な説明を記入すること)
- 神経集中治療の実態調査
集中治療専門医研修施設、救命救急センターなど重症病棟における神経集中治療の実態(対象疾患、診療体制、脳神経外科・脳神経内科・救急科などとの連携内容、など)をアンケート調査し、報告をまとめる。 - 神経集中治療セミナーの開催
神経集中治療の基礎知識の普及のために座学のセミナーを新設する。
年1回(予定)
内容:病態生理(基礎)編+Up to date編
総論、心停止後症候群、頭部外傷、くも膜下出血、てんかん重積、など - 神経集中治療委員会のホームページ作成
神経集中治療委員会のホームページを作成する。
学術集会あり方検討委員会
Ⅰ.目標
質の高い学術集会と円滑な運営を目指して、様々な角度から学術集会のあり方を検討する。
Ⅱ.活動計画
- 第48回学術集会の振り返りとフィードバック。
学会員にアンケートを実施しHPで公開するとともに、次回に活かす協議を行う。 - 学会運営会社の選定
コンペティションを行い、第52回学術集会以降3年契約の運営会社を選定する。 - 演題応募フォーマットと査読システム・基準の見直し
ブラッシュアップする。査読に関するアンケートを実施する。 - 学術集会に関連して、会員のメリットを如何に打ち出すかを協議する。
- 参加登録に際する会員非会員の区別を厳密に行うシステムを構築する。
- 第50回学術プログラム委員会を第49回と併設して組織する。
- 研究倫理委員会と密に連絡をとり、学会発表に関する研究倫理について、学術集会側からの制度の見直し改革を行う。
- 円滑な運営のための内規(マニュアル)作り
運営上の問題点を洗い出しながら、運営の内規を整備していく必要がある。
RRS検討委員会
Ⅰ.目標
RRSとRRSレジストリの普及とその効果に関してレジストリーの研究推進を行う。
Ⅱ.活動計画
- RRSレジストリ参加施設の増加をする。
さらにレジストリの充実をおこなう。
このために、現在のレジストリのデータクリーニングを定期的に行い、全体のデータ発信をする。 - RRSレジストリをもとにした研究を推進する。
研究受付を明示し、研究承認された班には結果の提出を促す。 - RRS普及のためにホームページの充実実施。
- RRSの普及活動としてRRS研究会とハンズオンの開催を2020年度計画する予定であった。
しかし、Covid-19の感染拡大のため計画すらできていない。
WEB開催等を考えた方法を検討する。 - 社会保険対策委員会と協働してRRSの診療報酬獲得に働きかける。
RRS合同委員会の参画学会(日本臨床救急学会、日本循環器学会、医療の質・安全学会、日本小児救急医学会、医療安全全国共同行動、日本蘇生協議会)の主導的立場で内科系学会社会保険連合、外科系学会社会保険連合へ申請をだすようにする。
集中治療早期リハビリテーション委員会
Ⅰ.目標
- 集中治療早期リハビリテーションの普及・啓発活動
- エキスパートコンセンサス改訂の検討
- ICUにおけるCOVID-19患者に対するリハビリテーション医療Q&Aの改訂
- 摂食・嚥下リハビリテーションの検討
- 集中治療早期リハビリテーションの普及・啓発活動
① 早期離床リハビリテーション研修会の開催
研修会は2回/年の開催(8月、11月予定)
② 早期リハビリテーションハンズオンセミナーの開催
ハンズオンセミナーは2回/年の開催(6月、9月開催予定) - エキスパートコンセンサス改訂の検討
① 委員会で、現状を分析し、スコープで取り上げるべき重要臨床課題や、診療ガイドラインで答えるべき疑問の構成要素の抽出を行う
② ワーキンググループを設置する - ICUにおけるCOVID-19患者に対するリハビリテーション医療Q&Aの改訂
- 集中治療における摂食・嚥下リハビリテーションの検討
① 現状把握と情報収集:本分野の世界的情勢と本邦の問題点の認識を、文献的考察と必要に応じた実地調査で収集する。
② ICUの現場における摂食・嚥下機能のスクリーニング、ベーシックな訓練方法の周知、検査方法の普及、研究の奨励・実行を行う。
集中治療PT・OT委員会
Ⅰ.目標
- 集中治療に携わる理学療法士の質保証を進める
- 集中治療における作業療法士のミニマムスタンダードを決定するる
- 集中治療に携わる理学療法士、作業療法士の会員増加を図る
- 集中治療に携わる理学療法士の質保証を進める
* 委員会報告「集中治療領域で働く理学療法士のためのミニマムスタンダード: 医師,看護師および理学療法士による合意形成」に基づき、理学療法士集中治療テキストの作成を進める
* テキストの内容を踏まえた標準化のための講習会を実施する - 集中治療における作業療法士のミニマムスタンダードを決定する
* 他国の集中治療における作業療法士の業務実態や活動内容に関する調査を行う
* 「集中治療室で働く作業療法士の臨床実践ミニマムスタンダード」の調査を行い、次回学術集会に発表し、雑誌への投稿を目指す。 - 集中治療に携わる理学療法士、作業療法士の会員増加を図る
集中治療臨床工学委員会
Ⅰ.目標
- 集中治療CEセミナーの開催と臨床工学技士の集中治療への貢献について啓発を行う。
- 臨床工学技士のICUにおける役割、責任を明確化し、さらに安全性、効率性の向上に貢献する。
- CEセミナーの企画・開催
With Coronaを前提にWEBによるセミナー開催を行う。WEB開催を踏まえて、各支部で行われていた臨床工学関連セミナーの内容を整理統合する。 - CEテキストの第2版への改訂準備
CEテキストの内容を精査し、第2版の骨子を検討する。ただし臨床工学技士業務指針の改定準備が始まっているため、タスクシフトの議論と併せて検討していく。 - 臨床工学技士法改正に向けた業務のあり方検討
臨床工学技士法改正を踏まえて集中治療における臨床工学技士業務のあり方を検討する。
ECMOプロジェクト委員会
Ⅰ.目標
- ECMO症例登録の再開・データ移行
- 日本COVID-19対策ECMOnet事業への協力
- ECMO症例登録
* データ移行,登録再開の計画,予算見積り - 日本COVID-19対策ECMOnet事業への協力
* 現地開催およびリモート開催(web開催)の人工呼吸/ECMO講習会への参画
* 人工呼吸・ECMOに関する教材作成(e-ラーニング用)
* 人工呼吸・ECMOに関するマニュアル整備
* 本邦の重症COVID-19患者の治療状況・生命予後のデータ管理・解析
* 全国各施設からの臨床的問合せ対応(電話・web)
* 出張ECMO指導(技術指導,患者搬送)
日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
Ⅰ.目標
日本版敗血症診療ガイドライン2020およびCOVID-19 薬物療法に関する Rapid/Living recommendationsの作成を行い、その普及を行うこと
Ⅱ.活動計画
- 日本版敗血症診療ガイドライン2020(日本語本文、英語版、ダイジェスト版、アプリ版)の各媒体を作成し、完成させる。
(敗血症診療の専門医でない一般診療家も含む幅広い層を対象とし、本邦の重症敗血症診療における成績を向上させることを目的とし、広く普及するガイドライン(GL)作成を目指す。 - 日本版敗血症診療ガイドライン2020公開と普及を進める。
- 次回ガイドライン(J-SSCG2024)作成準備を行う。
- COVID-19 薬物療法に関する Rapid/Living recommendationsを作成する。
- COVID-19 薬物療法に関する Rapid/Living recommendationsの公開と普及を進める。
遠隔ICU委員会 (Ad Hoc)
Ⅰ.目標
遠隔ICUの普及に従い、実施している病院への実態調査などを行っていきたい。
日本での遠隔ICUのあるべき姿を調査することも必要と考えている。
保険収載に向けた具体的な仕様の検討などを検討していく。
Ⅱ.活動計画
- 期的な委員会での報告会を開催
年3~4回の委員会を開催し、遠隔ICUの普及に際しての課題や展望を共有する。 - 厚労科研によるデータ標準化に関する検討を進める。
月2~3回のWeb会議を行い、継続的にデータ標準化に関する検討を行う。 - 保険収載に向けたエビデンスの構築
保険要望申請に繋がるエビデンスを集積する事を検討していく。 - 学術集会でのセッションを開催する。
日本集中治療医学会、遠隔医療学会などにおいて、遠隔ICUの普及に繋がる活動を続けていく。
集中治療薬剤委員会 (Ad Hoc)
Ⅰ.目標
集中治療室における薬剤師の活動指針に基づき、本学会における薬剤師の参画を推進させると共に、集中治療における薬剤の適正使用に関する検討を行う。
* 集中治療室における薬剤師の活動指針を普及させる。
* 集中治療における薬剤の適正使用に関する検討を行う。
* 集中治療室における薬剤師の活動について調査する。
* 集中治療に従事する多職種への薬剤に関する教育活動を進める。
* 救急認定薬剤師制度への支援を進め、集中治療領域との連関を図る。
Ⅱ.活動計画
- 集中治療室における薬剤師の活動指針の普及
- 集中治療における薬剤の適正使用の調査
* 集中治療領域で使用される薬剤の禁忌についての適正を討議する。
* 集中治療領域に適用を持たない薬剤についての調査を行う。
* 集中治療領域で用いられる薬剤の用法・用量について調査する。 - 教育、啓発活動
* 集中治療で使用する薬剤に関するセミナーを開催する。
* 日本集中治療医学会学術集会および支部学術集会における関連プログラム作成に関わる
* 日本病院薬剤師会、日本医療薬学会などの薬学系の学術集会において、集中治療関連プログラムの作成に加わる。
* 日本病院薬剤師会、日本医療薬学会、日本臨床救急医学会との連携を図る。 - 認定薬剤師制度の推進
* 認定薬剤師制度に係るプログラムやテキスト作成などの共同作業を進める。
* 学会関連の学術集会における認定単位申請について調整する。。 - 調査研究の実施
* 抗菌薬使用に関する多施設共同調査を行う。
* 集中治療室における薬剤師の活動についての調査研究を行う。
PICS対策・生活の質改善検討委員会
Ⅰ.目標
ICUに長期間入室した生存者の多くは、ICU退室後さらには退院後も長期間に及ぶ、身体障害や不安・ストレス障害・PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)などの精神障害、記憶・注意・実行機能低下といった認知機能の低下が生じ、社会復帰が困難となっていることが明らかになり、Post intensive care syndrome(PICS)として認識されてきている。
さらに、PICSは患者家族に対しての精神的影響も含むものとして認識され始めており、その裾野の広さは計り知れないものとなってきている。少子高齢化が進む中で、集中治療により救命してもその多くが要介護となるような構図は社会的に見ても決して健全な状態とは言えず、集中治療の存在自体が揺るぎかねない潜在的な問題をはらんでいる。
PICSの理解とそれに対する介入は、集中治療を受ける患者の救命の先にある社会復帰を目標とすべきものであり、集中治療医学会が中心となって、集中治療に直接関わらない医療従事者との連携も含めて取り組むべき課題であると考える。
今後未曾有の速さで進行している高齢化社会現象は確実に到来している。
また新型コロナウイルス感染症拡大に伴うCOVID-19患者の増大で、PICSの現状把握とその対策は解決すべき最重要課題の1つである。
我々が直面するPICSについて改めて考え、ICUを退室した患者の患者一人一人の「生活の質」の改善に少しでも寄与できる対策を打ち立てる必要がある。
Ⅱ.活動計画
- PICS臨床研究の推進(全国疫学調査や介入研究を含む)
PICSとは、重症患者がICU退室後さらには退院後も長期間に及ぶ、身体障害や不安・ストレス障害・PTSDなどの精神障害、記憶・注意・実行機能低下といった認知機能の低下することである。
また重症患者の家族の精神障害もPICS-Familyとして注目されている。
しかしながら、どのような患者が、いつどのような経過をたどり、PICSに陥るか、またそのPICSの症状がいつまで遷延するのかは十分評価されていない。
また新型コロナ感染拡大に伴い、COVID-19患者におけるPICSの現状調査も十分に行われていない。
このためPICSの疫学を把握するために全国の複数施設において疫学調査を行う。
またPICSの予防や治療として様々な介入が提案されているが、その効果は未だ不明でるため、前向き多施設の介入試験を展開する。 - PICSの標準的な予防策および治療法の立案
Ⅱ-1で明らかになったPICSの疫学と介入効果を元にして、PICSの標準的な予防策および治療法を立案する。 - PICSフォローアップ外来創設の推進
PICSはICU退室後に生じる身体機能・認知機能・精神機能の障害であるが、ICU退室後の患者の多くは、集中治療医やICU看護師の手を離れ、その実態が十分にフォローできていない。
PICSは数ヶ月から数年後も症状が遷延することも多く、長期間PICS患者をフォローアップすることが、PICS患者の再入院や死亡の抑制につながる可能性もある。
このため、PICS予備群となる重症患者を中心に、PICSフォローアップ外来創設を推進したい。 - PICS対策による保険診療報酬の獲得
上記の通り、PICSの適切な予防や治療は患者の長期予後を改善すると考えられる。このため、早期リハビリテーションやICU日記、PICS外来など、PICSの介入やフォローアップに関連する医療介入に対しては国民の健康増進に寄与する可能性があるため、保険診療報酬を獲得できるよう厚労省などに積極的にアプローチする。 - PICSホームページの充実
ICU患者の長期予後を改善するために、今後はさらなるPICSの認知・実態評価・予防・治療・フォローアップ・啓発活動を、システマティックに展開していくことが重要である。
現在日本集中治療医学会HP内にPICSホームページがあるが、今後も市民並びに医療従事者にPICSの情報を正確に提供するために、ホームページの充実に努めたいと思う。
支部あり方検討委員会
Ⅰ.目標
支部の運営を円滑に進める。
Ⅱ.活動計画
- 支部の運営に関して問題が起きた場合は速やかに対応する。
脳死移植ドナー評価・管理検討委員会 (Ad Hoc)
Ⅰ.目標
令和2年度厚生労働科学研究費補助金(移植医療基盤整備研究事業)
「5類型施設における効率的な臓器・組織の提供体制構築に資する研究
-ドナー評価・管理と術中体制の新たな体制構築に向けて-」
の活動を主に行う。
Ⅱ.活動計画
- 現在作成中の臓器提供を見据えた患者管理と評価、脳死ドナー管理マニュアルの初版を完成し、臨床現場からのパブリックコメントならびに実臨床での検証作業を行い、最終版への作業を行う。
救急医学会、日本移植学会との共同作業で進める。
集中治療看護委員会、集中治療看護師活動調査WG
Ⅰ.目標
集中治療部門の看護に関する課題を明確化し、問題解決への方針を決定する
Ⅱ.活動計画
- 集中治療部門の看護に関する課題を明確化するための議論を、実践、 研究レベルで行う。必要であれば調査を企画する。
【看護師の活動調査(一部前委員会からの継続事業)】
* 特定集中治療管理料を取得している集中治療部門で勤務する看護師の活動調査を企画する。
* 特定集中治療管理料を算定している集中治療部門で勤務する認定看護師・専門看護師・特定行為研修受講者の活動に関する二次調査を企画する。 - 本会の他の委員会に属する看護師委員と適宜情報を共有する。
- 支部の看護部門代表者と合同会議を開催し、看護に関する情報の共有および課題・対策の検討を行う。
- 適宜、COVID-19に関する情報の提供、相談業務を行う。
- 看護関連の窓口役割の委員会として機能する。上記は適宜、他の職種で構成される委員会と共同して行う。
看護教育検討委員会(新設)・看護教育WG
Ⅰ.目標
- 学会における看護教育の活動の方向性を定めること
- 集中治療に携わる看護師に必要なコンピテンシーを定めること
- 集中治療に携わる看護の質を、教育的手法を用いて向上させること
- 現行のラダーの活用、評価法に関して検討すること
- 学会における看護教育の活動の方向性に関して討議する。
- 集中治療に携わる看護師に必要なコンピテンシーに関して討議し、必要であれば調査を実施する。(調査は、必要時、集中治療看護委員会及び集中治療看護師活動WGと連携しながら行う)
- 下記のセミナー開催をおこなう。
- ICU・CCU教育セミナー(初級コース)←セミナー名称変更の可能性あり
日 時:2021年8月(日時未定)
開催場所:Web開催
内 容: ICU・CCU・救命などの集中治療に従事している看護師(ラダーレベルⅠ•Ⅱ)と、医師、理学療法士、臨床工学技士、薬剤師等の医療従事者を対象にした教育セミナー
参加人数:600名 - ICU・CCU教育セミナー(中級コース)←セミナー名称変更の可能性あり 日 時:2021年9月(日時未定) 開催場所:Web開催 内 容:ICU・CCU・救命などで重篤患者のケアにあたる看護師(ラダーレベルⅡ•Ⅲ)と、医師、理学療法士、臨床工学技士、薬剤師等の医療従事者を対象にした教育セミナー 参加者数:500名
- 集中治療における意思決定支援セミナー 日 時:2021年10月 1日間(日時未定) 開催場所:Web開催 内 容:集中治療に従事する看護師(クリニカルラダーレベルⅢ)や、医師、理学療法士を対象とし、集中治療場面での意思決定支援に必要な力の育成を目指す教育セミナー 参加者数:約50名
- 現行のラダーの活用法や評価法に関して討議を行う。
- ICU・CCU教育セミナー(初級コース)←セミナー名称変更の可能性あり